はじめに

なんとも間抜けな話だが、 AIのおかげで無駄な買い物をしなくて済んだ。
私がプライベートで使っているメインPCは2020年に自作したWindowsマシンだ。 その頃はまだWindows11がリリースされていなかった。
これまでずっとWin11に必要なハードウェアスペックを満たしていないと思っていた。 いよいよWin10のサポートが完全に切れるということで、マザーボードを交換しようと考えていたところだった。
しかしその検討にAIを使っていたところ、現在利用中のマザーボードがWin11の必須条件を満たしていることを指摘された!
一筋縄ではいかなかったが、なんとか現状のハードウェア構成のままでWin11にアップデートできた。
自分のように古いCPUやマザーボードを使っている人はあまりいないかもしれないが、備忘録として残しておく。
そもそもWin10はまだ使えたのか?
Windows10のサポートは2025年10月14日で切れている。
しかし申請をすれば1年間はセキュリティパッチを提供してもらえるということなので、今日までそのままにしていた。
またWin11にさっさとアップデートしなかったのは、Windows Updateの画面でシステム要件を満たしていないと表示されていたからだ。

Win11のアップデートで問題だったのは、TPM 2.0*1に準拠したセキュリティモジュールが必須になったことだ。
TPMはチップセットやCPU内のSoCに搭載されたTPM機能をマザーボード上のファームウェアと組み合わせて利用するfTPMが一般的となっている。 そのため、マザーボードかCPUの交換が必要だと思っていた。
利用中のマザーボードはASUS TUF B450M-PRO GAMING、CPUはAMD Ryzen7 3700Xだ。
Win11へのアップデート
OSメーカーの仕様変更に振り回されるのが嫌になり、これを機にマザーボードの交換と併せて古いマザーボードでLinuxマシンを立ち上げる計画も立てていたところだった。 価格.comのマザーボード・ランキングを見つつ、Geminiに相談したところ、まさかの返答が返ってきた。
結論からお伝えすると、「同じB450チップセットのマザーボード」に交換することはおすすめしません。 理由は、現在お使いのTUF B450M-PRO GAMINGも、本来はWindows 11に完全対応しているためです。マザーボード自体を買い替えなくても、設定を変更するだけでそのままWindows 11にアップグレードできる可能性が非常に高いです。
まさに青天の霹靂で、Win11へのアップデート作業を始めることにした。
TPMを有効にする
TPMの有効化はBIOS画面からできた。
BIOS画面でAdvance Modeの画面を表示し、AMD fTPM ConfigurationのメニューからEnabledを選択することで有効化できた。

セキュアブートを有効にする
これで一件落着かと思いきや、セキュアブートの有効化も必要なことが分かった。
Win11のシステム要件を調べるツールとして、Microsoftが「PC正常性チェックツール」を提供している。 これでTPM 2.0が有効になっていることが確認できた半面、セキュアブートが有効になっていないことも判明した。
また、「Win+R」-> msinfo32と入力し、Windowsのシステム情報画面を開いたところ、
BIOSモードは「レガシー」、セキュアブートの状態は「サポートされていません」となっていた。
現在、BIOSモードにはレガシーモードとUEFIモードがある。 UEFI*2はBIOSに代わるミドルウェアだ。これもWindows11では必須になっているらしい。 UEFIモードにするには、ディスク・パーティションをMBRからGPTに変換しなくてはならない。
ディスク・パーティションは管理者権限で起動したコマンドプロンプトから、diskpartを実行することで確認できた。 案の定、メインのSSDがMBRになっていた。
C:\Windows\System32>diskpart Microsoft DiskPart バージョン 10.0.26100.1150 DISKPART> list disk ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT ### ミック ------------ ------------- ------- ------- --- --- ディスク 0 オンライン 465 GB 0 B ディスク 1 オンライン 1863 GB 1024 KB * ディスク 2 オンライン 1863 GB 0 B * ディスク 3 メディアなし 0 B 0 B
同様に管理者権限で起動したコマンドプロンプトからmbr2gptコマンドを実行することで、 ディスク・パーティションをフォーマットを変更することができた。
# validationが通るか確認 mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFullOS # validationが通れば、convertを実行 mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFullOS
コマンド実行後、PCを再起動して、BIOS画面のAdvanced Settingを表示し、起動メニューを表示する。 そこで、「CSMの起動」を「無効」にすることで、セキュアブートのメニューが表示できるようになった。

UEFIブートモードにする
セキュアブートメニューの起動オプションから、OS Typeを「UEFIモード」に選択するだけで切り替えることができた。

説明が前後して分かりづらくなってしまっているが、 CSMの無効化はディスク・パーティションの変更をしなくてもBIOS画面上で設定できた。 しかしその場合、セキュアブートメニューが表示されないばかりか、Windows10も起動しなくなってしまった。
そこでUEFIモードに必要な手続きをしたうえで、CSMの無効化(セキュアブートの有効化) → UEFIモードへの切り替えを行う必要があった。
ここまでの操作のあとにWindowsを起動すると、PC正常性チェックツールではWin11の必要項目を全てクリアできたことが確認された。

Windows Updateの実行
ここまでできたのに、Windows Updateの画面上では依然としてWin11のシステム要件を満たしていない旨が表示されていた。
そこで、「Win+R」-> services.mscと入力し、Windowsのサービス画面を開いた。

ここからWindows Updateを再起動することができた。 その後PCを再起動すると、Windows Updateでのメッセージが変わったのを確認できた。

さらに、「更新プログラムのチェック」を手動実行すると、Win11のインストールが可能になった。

インストール自体はかなり時間がかかったが、ついにWin11へアップデートすることができた。
ASUS AI Suite IIIを削除する
これでめでたしかと思いきや、起動したWin11にて以下の警告が出るようになった。

このAMDRyzenMasterDriver.sysを調べたところ、ASUS AI Suite IIIというツールで使われていることが分かった。 このAI Suite IIIはWindows側からファンの回転数やCPU電圧、クロックの監視、オーバークロックの設定ができるツールなのだが、 これまで一度も利用したことがなかったので、削除することにした。
AI Suite IIIの削除はWindowsの設定UIから行い、AI Suite IIIのフォルダも完全に削除。 ドライバーについては、以下のコマンドでサービス登録も解除した。
# サービスとして登録されているか確認 sc query AMDRyzenMasterDriver # サービス登録を解除 sc delete AMDRyzenMasterDriver
このあと、AsIO.sysも読みこめないと警告が出たので、同様にしてsc delete AsIOを実行した。
これで完全に警告も出なくなった。
おわりに
マザーボードを交換する必要はなくなったのだが、Linuxマシンを作ることはまだ諦めていない。 Microsoftの意向に振り回された今回の件に加えて、Appleについても仕事で使っているMacbook ProがOSアップデートでバッテリー保ちがめちゃくちゃ悪くなっているからだ。
何より、最近の生成AIブームでOpenClawのようなAIエージェントを自由に動かせる環境として、 Linuxマシンを一つ用意してもいいと考えていた。 今度はMini-ITXのマザーボードを使った小型のがいいと思っている。 そして、ローカルLLMで無課金でコーディングエージェントを動かせるようにするのが理想だ。
しかし残念なことに、Claude CodeのようなコーディングエージェントをローカルLLMでスムーズに動かすとなると、 40 ~ 60万円ぐらいのスペックが必要になってしまうらしい。
とりあえず喫緊の課題だったWin11へのアップデートができたので、追々検討していきたい。
*1:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1334277.html
*2:https://jp.easeus.com/partition-manager/what-is-uefi.html?gad_source=1&gad_campaignid=21646187698&gbraid=0AAAAAD958NMu26Z4k7d31raBFOcQqJ7Ey&gclid=Cj0KCQjw_7PRBhDcARIsAMjV7jn8bznlHYsJMHMISPS9YOIVJ3eu7-Kze32wXRhRCpnrjMkmOGRciyAaAjhpEALw_wcB






















































